輸入株の裏にあるもの

輸入株の裏にあるもの
密漁について
植物の密猟!あなたも知らずに加担しているかも?

植物の密猟?

植物の密猟というのを聞いたことがあるでしょうか?
象牙や毛皮など、動物の密猟が大きな問題となっていますが、実は植物の密猟(密採と呼ばれることもあるようです)、 違法取引も大きな問題として注目され始めています。

密猟を助長していませんか?

特に密猟の被害がひどいものに多肉植物、シダなどが挙げられ、主に南アフリカやカリフォルニア、メキシコなどで問題となっています。

それらの密猟された植物は日本のネットオークションなどにも出回っており、知らずにそういった植物を購入してしまうと、密猟に加担することになってしまうのです。

密猟について多くの人に知ってもらい、密猟品を買わないように気を付けていただくため、この記事を作成しました。

密猟の実態

どのような植物が密猟の被害にあっているのでしょうか?

狙われるのはレア植物


一般的には希少で、高値で取引されるものが密猟の被害を受けやすい傾向にあるようです。

以前は薬用植物など、実用性の高い希少な植物が主に密猟されていましたが、近年ではダドレヤやハオルチアをはじめとする多肉植物など、高いお金を出してでも手に入れたいコレクターが存在する植物も狙われているようです。

密猟者は知られているだけでも東南アジア、ヨーロッパ、アメリカ、韓国、中国、日本など税関の目をかいくぐり、世界中で活動しています。

カリフォルニア州沿岸での大規模なDudleya密猟

大規模に行われているものの一つにカリフォルニア州沿岸部に自生するDudleya属の密猟が挙げられます。

2018年1月にはカリフォルニアの郵便局で大量の植物を中国及び韓国あてに送ろうとしたアジア人男性を局員が通報し、逮捕されました。

中国、韓国、日本で爆発的に人気が高まったDudleya属が密猟者の標的となり、正確な数字は知る由もありませんが、少なくとも数万株以上のDudleyaが被害にあったと考えられ、密猟された植物は主に韓国、中国、そして日本の業者が購入し、最終的には一般の愛好家の窓際を飾ることになります。

これらの希少な植物は平均して一株70ドル、中には5千ドルもの値が付くものもあり、密猟者の活動をより一層加速させる要因となっています。

アメリカ、カリフォルニア州で逮捕された密猟者

カリフォルニア州で密猟者の車から発見された大量の植物 (出典:The Guardian

南アフリカでは日本人の密猟者も

南アフリカも密猟者による深刻な被害を受けている地域の一つで、逮捕者の中にはハオルチアの密猟で捕まった日本人もいたということです。

アジアを中心として、世界的に南アフリカ原産の希少植物の人気が高まっており、密猟の被害はこれからも増加していくだろうと思われます。

なぜ密猟が増えているの?

近年密猟における密猟の増加には、日本、中国、韓国においての爆発的な植物ブームが背景にあり、増大する希少植物への需要に生産が対応しきれていないことと、それに伴う価格上昇が密猟をさらに助長させています。

もともと園芸用として生産されていた植物だったけれど、需要に生産が追い付いていないというケースもありますが、栽培自体がむつかしく、栽培されていないという植物も多くあります。

例えば成長がとても遅く、売れるようになるまで十年以上かかるものは採算が合わず、商業用として栽培されない、そういった希少植物を、どれほど高価でも、違法に採集されたものでも買ってしまう愛好家が存在するため、密猟が横行しています。

いろいろ書きましたが、 つまり
「買う人がいるから密猟する」
ということです。

密猟の手口

それでは密猟はいったいどのように行われているのでしょうか?

希少な植物は自生地が自然公園指定されて保護されている場合もありますが、道端や畑のそばに生えているなど、現地の人々には希少であるという認識がされていない場合も多々あります。

状況に応じた様々な手口で密猟は行われています。

ただの愛好家を装って現地調査

密猟者はまずどこに標的の植物が生えているか下調べを行います。

写真が撮りたいなどと言ってガイドや現地の人に案内させ、いったん場所がわかってしまえばあとでこっそりと訪れ、根こそぎ持って行ってしまうのです。

怪しい人には自生地に案内しないなどの対応もされているようですが、すべて防ぐことは難しく、被害は拡大の一途をたどっています。

現地人を雇って大量に収集

大量に密猟を行う手口に、現地の人に報酬を支払い、集めさせるというものもあります。

もともと現地の人には雑草という認識しかなかった植物にお金を払うといわれれば、喜んで協力するのは想像に難くないでしょう。

毎日農作業の合間に標的の草を見つけては家に持ち帰るというのを数か月続け、密猟者が再び訪れたとき、すべてをただ同然で密猟者に渡してしまうのです。

その時にはその地域に自生していた希少植物の個体数は壊滅的な打撃を受けていることになります。


密猟による影響

密猟による悪影響は様々なところに及びます。

生態系の破壊

密猟による悪影響の一つに自生地周辺の生態系へのダメージが挙げられます。

ある植物一種類でも極端に数を減らせば、その花粉を媒介している昆虫や動物なども影響を受けます。

特定の植物の蜜しか摂取しなかったり、ある植物の花を交尾の場所として利用していたりといった虫も存在します。ある植物がなくなれば、それと密接な関係にあった動植物も生きていけなくなるのです。

このように微妙なバランスで成り立っている生態系の歯車が一つ抜ければ、その影響は生態系すべてに波及し、もう2度と元に戻すことはできません。

密猟は標的となっている植物だけではなく、その周辺の動植物の生存をも脅かしてしまうのです。

病気、害虫の拡がり

密猟の悪影響は自生地だけではなく、密猟された植物が持ち込まれた国にも波及します。

違法に採種された植物であるため、輸出時に検疫を通さずそのまま輸出されるケースが多く、そうやって持ち込まれた植物には病気や虫など様々な問題が出てきます。

一般的に植物を輸出入する際には土を洗い落とし、検疫を通して検疫証明書の添付が必須となっています。

検疫においては輸入国の条件に則って検査が行われ、病気や害虫などがないことを確認したうえで輸出されます。

そういった検疫を経ずに、野生から採取したままの状態で密輸された植物は輸入国に病気や害虫を持ち込む可能性が高く、その国の生態系をも脅かす危険があります。

近年ヒアリなども問題となりましたが、いったん持ち込まれた病害虫を駆逐するのは不可能に近く、その国の生態系を永遠に変えてしまうことになるのです。

市場の汚染

真面目に増やして販売している生産者への悪影響も少なからずあります。

悪貨は良貨を駆逐するではありませんが、成長に長い年月かかるものも、自生地から10年物を引っこ抜いてきただけのものが流通すると、生産者がまじめに作っても売れにくくなり、栽培から手を引くことで、ますます密猟が増加するという負の連鎖が生まれます。

どうやって見分ければいいの?

では、どうやって密猟されたものを見分ければいいのでしょうか?

密猟は私たちが思っている以上に大規模に行われており、大手ショップに並んでいるものにも密猟品が混ざっている可能性があります。

上で例に挙げたDudleya属の密猟も数万株に及ぶため、様々な場所に流通している可能性があるのです。

はっきり言って見分けるのはかなりむつかしいでしょう。

出所の分からないものは買わない

輸入株?どこから来たの?

オークションサイトなどには魅力的な植物がたくさん売られていますね、レアなものを見かけることもよくあります。

でもちょっと待って下さい、それはちゃんとした栽培品でしょうか?密猟品の可能性はないでしょうか?輸入株などと書かれているものはいったいどこから来たものなのでしょうか?

もちろん海外にもきちんとした生産者、販売店もたくさんいますが、密猟されたものの流通も少なくありません。

また、レアなものほど密猟された可能性も高くなります。

一般にみることのないレアなものを購入するときは一度お店、出品者に入手経路を確認してみてください。

密猟品を流通させないために

植物を出品販売される方は、できる限り詳細に入手経路の説明をしていただけると、買う方も安心して購入することができると思います。

できる限り情報をクリアにして、密猟品を流通させにくい環境を作ることが大事ではないでしょうか?

植物を長く楽しむために

いかがでしたでしょうか?植物を栽培することは楽しいし癒されるし素晴らしい趣味であることは間違いありません。

ですが、なりふり構わず植物を集めまくることはエゴでしかありません。

皆さんが少し気を付けるだけで、好きな植物が地球上から消え去るのを防ぐことができるんです。

一部の心無い人間が密猟に走ってしまうのをなくすことはできないかもしれませんが、大部分の善良な人々が密猟品を買わないように気を付ける、そういう文化を広めることで、かなり被害を抑えることができると思っています。

エリオクエストは密猟品を扱いません

エリオクエストでは以上のことに気を付けて仕入れ、生産、販売を行っています。生産環境のきちんと整備された生産者からのみ仕入れをしており、販売しているのもほぼすべてが高知にあるエリオクエストの圃場で実生、株分けしたものです。

記事作成に当たり参考にした記事

Siyabona Africa \ Porchers Plunder Rare Plants

The Guardian \ South Africa's ancient cycad plants under threat from poachers

IOL \ Plant porchers threaten unique indigenous fauna

Post Magazine \ California's succulent smugglers:plant poachers seed Asia's desire for dudleya

The Mercury News \ Black market poachers coming for California's coastal succulents

mnn \ Why the black market for cacti and succulents is booming

mnn \ These California succulents are at the center of a massive smuggling ring



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