植物名
レデボウリア ニティダ(Ledebouria nitida):DMC10146
旧名:レデボウリア コンカラー(Ledebouria concolor)
英名:Karoo African Hyacinth
科・属
ヒアシンス科レデボウリア属
特徴
初心者にも育てやすい、夏に成長する球根植物。
レデボウリア ニティダ(Ledebouria nitida)は南アフリカ原産のヒアシンスの仲間です。
レデボウリア属は、ドイツ系エストニア人の植物学者、カール・フリードリヒ・フォン・レデブーア教授(1785-1851)にちなんで命名されました。種名のconcolorはラテン語で、「同じ」を意味する conと「色」を意味する-colorの2つからなります。 本種は1870年にJ.G.ベイカーによってScilla concolorとして初めて命名されましたが、100年後の1970年、J.P.ジェソップが属の改訂を行った際に、初めてLedebouria属に分類されました。
レデボウリア属はアフリカ、インド、マダガスカルに分布し、種の多様性の中心は南部アフリカの東部です。南アフリカには42種類のレデボウリアが確認されています。 本種は、株の大きさ、中緑色で斑点のない葉、半球状の球根から、Ledebouria venteriと混同されやすいですが、L.venteriの 葉は、より艶のある(青みがかった)緑色で、葉先は先細りから鋭くなっています。
小さなグループにまとまって群生しています。地上に出た球根部は褐色の油取り紙のような鞘で覆われています。球根は6~12センチの幅に成長します。
初夏には小さなヒアシンスのようなベル型の花を鈴なりにつけます。小さなグループにまとめて植える事で花の効果を最大化します。苗を増やすには、種から増やすのがもっとも良い方法です。種は新鮮なうちに蒔く必要があります。
原産地
東ケープ州、主にポート・エリザベス周辺に生息し、同州のトランスケイ地域からも記録されている。
なぜ実生株にこだわるのか
実生株を選ぶことには以下のようなメリットがあります。
1. 適応力の高さ:実生株は、種子から育てられた個体です。国内で実生された株は、既に日本の気候や土壌に順応している可能性が高く、栽培が比較的容易です。外国産の苗よりも、実生株の方が日本の環境に適した特性を持っていると言えます。
2. 病気や害虫のリスクの低減:実生株は、種子から育てられたため、病気や害虫のリスクが低い傾向があります。輸入品は海外からの長い輸送によるストレスや検疫手続きの影響を受ける可能性があるため、実生株の方が健康状態が安定している場合があります。
3. 種の多様性の保護:実生株の栽培は、野生のパキポディウムの乱獲や違法な採取を防ぐためにも重要です。実生株は合法的に種子から育てられたものであり、野生の個体数を減らすリスクを回避しながら、種の多様性を保護する一助となります。
4. カーボンニュートラルな輸送:国内実生株のメリットの一つに、輸送に伴うCO₂の排出量が少ないことがあります。国内で栽培された実生株は、長距離の輸送や国境を越える手続きが必要ないため、輸送にかかる燃料消費や排出量が削減されます。これにより、より持続可能な植物栽培に貢献することができます。
以上の理由から、 実生株を選ぶことが望ましいです。実生株は適応力が高く、病気や害虫のリスクが低い上に、種の多様性を保護する一環となります。自身の庭やガーデンで育てるなら、実生株を選ぶことで健康な植物の成長をサポートし、持続可能な植物栽培に貢献することができます。
置き場所
成長期(通常は春から夏)の間は明るい場所で直射日光を浴びることが好きです。窓辺やベランダなど、日当たりの良い場所が適しています。ただし真夏の30度を超えるような日には地温の上昇に注意しましょう。 半日陰でも育ちますが、日当たりの良い場所で育てると、コンパクトで魅力的な株になります。
一方、休眠期(通常は秋から冬)の間は光を控えた場所で過ごすことが重要です。明るい室内の場所や、部分的な日陰がある場所が適しています。温度は涼しい程度が良いでしょう。
水やり
成長期(通常は春から夏)になると活発に成長します。この時期は、土が乾いてから水を与え、水が鉢底から排水されるまでしっかりと浸透させると良いでしょう。しかし、過度な水やりも根腐れのリスクを高めるため、適度な水やりを心掛けてください。
休眠期(通常は秋から冬)の間は、休眠状態に入り、成長が停止します。この期間は【断水】し雨や雪の当たらない屋内で保管する必要があります。
水やりの頻度は、環境条件や季節によっても異なる場合がありますので、土壌の湿度を確認しながら調整することをおすすめします。また、水やりには常温の水を使用し、鉢底の水がたまり過ぎないように注意しましょう。
適温
通常の室温(20〜25度程度)やそれ以上の温度が適しています。最低気温が10度を下回るような寒冷な環境では、成長が遅くなる可能性があります。 休眠期(秋から冬)では、涼しい気温を好みます。通常の室温(15〜20度程度)やそれ以下の温度が適しています。暖房が効いた室内の高温環境は避け、涼しい場所で休眠させることが重要です。
編集スタッフ:伊達
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