南アフリカからやってきた不思議な球根植物たち

南アフリカからやってきた不思議な球根植物たち

南アフリカの自然環境と球根植物の関係性

南アフリカは、気候や地形が多様で、世界でも有数の生物多様性を誇る国です。南アフリカには約2万種もの植物があり、そのうち約7割は固有種です。南アフリカの植物の中でも特に多いのが球根植物で、約1500種も存在します。


球根植物とは、地下に鱗茎や塊茎などを持ち、そこに水分や養分を蓄えることで乾燥や寒さなどの厳しい環境に耐えることができる植物です。南アフリカでは、乾季や冬季に休眠し、雨季や春夏に花を咲かせます。花の色や形は多彩で美しく、世界中から注目されています。

南アフリカの球根植物は大きく分けて2つのタイプがあります。一つは冬型ケープバルブと呼ばれるもので、南アフリカ西部から中部にかけて分布するものです。このタイプはケープ州という地域で育ちます

ケープ州とは、南アフリカ共和国最南端に位置する州で、海岸線が長く山岳地帯も多い場所です。この州ではフィンボスと呼ばれる自然の灌木植生地域が広がっています。



フィンボスとは、「細い葉」を意味するオランダ語由来の言葉で、小石や岩の多い乾燥地帯に生息する低木類や草本類などからなる独特な生態系です。この地域では220種以上もの球根植物が確認されておりそのほとんどが固有種です

冬型ケープバルブはこのようなフィンボス地帯で育ちます。年間降水量が少なく気温が低い場所を好みます代表的な品種としてはアルブカやラペイロージアなどがあります。

もう一つは夏型ケープバルブと呼ばれるもので、南アフリカ東部から北部にかけて分布するものです。このタイプは湿度が高く気温が高い場所を好みます。代表的な品種としてはドリミアなどがあります。

これらの球根植物は南アフリカの自然環境に適応して進化した結果です。そのため、日本では育てる際に注意が必要です。冬型ケープバルブは夏場に水切れさせたり日陰に置いたりする必要がありますし、夏型ケープバルブは冬場に霜除けしたり暖かく保ったりする必要があります。

南アフリカのレア植物

アルブカ・コンコルディアナ

南ア原産の冬型球根植物です。スパイラルした葉がとてもキャッチ―なレア植物です。コンコルディアという地名に由来した名がついています。

ドリミア・イントリカータ

アフリカに広く分布する夏型球根植物です。玉葱のような皮に覆われていますが中は葡萄みたいに綺麗です。根元からクルクルするタイプと直立するタイプがあります。

 

ケープバルブの育て方と注意点

ケープバルブには大きく分けて「夏型」と「冬型」に分かれます。その名前の通り、「夏型」は夏に成長期を迎え、「冬型」は冬に成長期を迎えます。

夏型と冬型の違いは以下のようになります。

夏型は5~8月に花を咲かせ、9月から休眠期に入ります。水やりは花が終わるまで続け、休眠期に入ったら完全にやめます。冬型は9~2月に花を咲かせ、3月から休眠期に入ります。水やりは乾燥気味に管理し、花茎が伸び始めたら少しずつ増やします。霜よけをしてください。

用土は水はけが良く、軽いものを選びます。水やりは乾燥気味に管理し、花茎が伸び始めたら少しずつ増やします。冬場は霜や雪よけをしてください。花後は枯れるまで水やりを続け、枯れたら切り取って乾燥させます。可能なら毎年でも植え替えをしましょう。

夏型ケープバルブの植替えや管理方法についてはこちらに動画があるので見てみて下さい。↓

南アフリカの球根植物で作るエキゾチックな寄せ植え

 最近では植物の自生地環境を再現したジオラマの作成が流行っているようです。盆栽のように自分だけの箱庭を作成し世界を表現できて楽しいです。アクアリウムや水槽用の岩や低木を利用したりすることもできるようです。

ケープバルブで作成する際は、水やりのサイクルがことなる夏型と冬型は分けて作成しましょう。夏型であればドライガーデンで人気のアガベやパキポディウムと一緒にすることもできます。

ケープバルブはまだまだこれからのジャンルなので楽しんでみてください★

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